第128章 妹に触るな!

田村良樹は、はっと振り返った。

「田村毅……?」

田村毅は良樹より二つ年下だというのに、身長は190センチほどもある。良樹より頭ひとつ高い。年中ジムに通って鍛え上げた体つきは、いかにも屈強だった。左頬には刃物で裂かれたような傷が一本、十センチほど走っている。

田村毅が部屋へ入ってくる。眉を吊り上げ、良樹を見下すように一瞥すると、田村爺さんへ言い放った。

「おじいちゃん。ブラッドムーンの連中は、俺がやる」

田村爺さんは指輪を撫でていた手を止め、毅へ視線を落とす。

「行け。必ず急いで、橘家のお嬢様を連れ戻してこい」

「おじいちゃん……」

田村良樹がなおも口を開きかけた瞬間、田村爺...

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